ゴンタの夜

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以前、「ストラディ掲げてゲッツィの泣き節タンゴ」というエントリをあげた事があるんだが、バルナバス・フォン・ゲッツィというのは戦前にものすごく人気のあったダンスバンドのリーダーです。ドイツの貴族で、25歳で、ブタペスト歌劇場管弦楽団コンサートマスターになったというから、クラシック界でも超一流だった。その時代でもストラディ持ってるコンマスといったら、並大抵のもんじゃない。それがダンスバンドに転身というので、大人気だった。もっとも、引退が早かったので、戦後は活動してないようです。ダンスバンドなので何でも演奏するんだが、特に「コンチネンタル・タンゴ」が有名です。



アルバムは廃盤でとんでもないプレミア価格が付いてますね。輸入盤探した方が良さそうだ。


で、「夜のタンゴ」です。おいらの父親というのは、終戦直後にダンスホールを経営していた事があり、その頃のSPレコードが大量に残っていて、それを聞いておいら育ったんだが、その中の一枚です。「ゴンタの夜」って何だろう? と、ずっと不思議だった。ゲッツィは元がクラシックで貴族でストラディなので、正統派のしっかりした音楽的教養で演奏している。でも、音楽はポピュラー音楽です。アルゼンチン・タンゴみたいな癖がないし、ジプシーバイオリンみたいな癖もない。それが物足りないという人もいるだろうが、いっそここまで正統派なら、それもまた良かろう、というのがおいらのスタンス。おいらアルゼンチン・タンゴは大好きで、コンチネンタル・タンゴはあまり好きではないんだが、ゲッツィだけは別腹ですw



ところで「夜のタンゴ」というのはゲッツィの曲ではない。ポーラ・ネグリという女優が映画の中で歌ってヒットさせた曲です。このポーラ・ネグリというのも面白い人で、ハリウッドで活躍したんだが、世紀の二枚目、ルドルフ・バレンチノが死んだ時には、

特に1926年、ヴァレンティノが亡くなった後の彼女の振る舞いはメディアの注目となった。彼女はヴァレンティノと結婚する約束をしていたと明かし、彼の棺が列車でニューヨークからロサンゼルスまで運ばれるのについてゆき、列車が止まる度に写真家のためにポーズを取った。葬式では何度も失神、彼女の名前が綴られた大きなフラワー・アレンジメントをヴァレンティノの墓の上に置くように用意した。しかし多くのヴァレンティノの友人は、二人は結婚する予定などなかったと主張し、彼女の振る舞いは単なる売名行為だと非難した。その頃から彼女のキャリアは下降しはじめる。
そして、戦後になって落ちぶれていた彼女のところに、ビリー・ワイルダーが「サンセット大通り」の主役の話を持ち込むんだが、そんな役は出来ないと拒否。結局その役は彼女のライバルだったグロリア・スワンソンが演じて女優の第一線に返り咲くという、そんなエピソードもあったりするw



ゲッツィ自身は1971年まで生きているんだが、戦後は活動していないので、「コンチネンタル・タンゴの王様」の座を引き継いだのはアルフレッド・ハウゼだろう。ハウゼもワイマール音楽院出身です。1942年から自身の楽団を率いている。メンバーのほとんどがクラシック畑のオーケストラ団員です。コンチネンタル・タンゴの特徴なんだが、アコーディオンが参加してますね。この編成ではバンドネオンも加わっているが、アコーディオンとバンドネオンは似ていても弾き方が違う楽器なので、音が違います。コンチネンタル・タンゴはアコーディオンで流麗に奏でないと、コンチネンタル・タンゴではない。(断言)



ウェルナー・ミューラーというのは、実は、ラテンの世界では「リカルド・サントス」の名前で活躍した人なんだが、この人も出身地はドイツです。コンチネンタル・タンゴの本場はドイツです。



美輪明宏の「夜のタンゴ」もなかなか。つうか、この人には「老女優は去りゆく」という大傑作があるんだが、それとか、ポーラ・ネグリとか重ね合わせると、一層、味わい深いモノがあるというものです。

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タンゴなんか欧州を逃げ出した貧乏移民の炭鉱夫が男同士で踊った曲から発展したとか、場末の酒場で売春婦を相手に踊った曲が起源だと言われているが、それでも今でも若い世代が進化させようとしてます。その背景には、即興性・ステップ数の多さ(ほぼ無限)・音楽性(2・3・4・8拍子すべて踊れる)があるからだろう。

金ばっか掛かって振付なしでは踊れない社交ダンスがいくら金を積んでも越えられなものではありません。

タンゴ・ヌエボ(新タンゴ)の即興達人と呼ばれるチーチョ
youtube.com/watch?v=mCGMtmPIkRA

マラドーナの兄弟のようなセバスチャン:スニーカーとジーンズとTシャツです。踊りなんてそんなもんです。
youtube.com/watch?v=CjXEKqAgMJU

Gotan Project – パリあたりでも進化させようとしてます。
youtube.com/watch?v=feMJx8ldhbQ

子供の頃はマンボもタンゴもテレビで放送してたような記憶が。
子供心にもタンゴは官能的でエロいと思ったが、マンボはふんどしひらひらふっとい姉ちゃんがお尻フリフリあけっぴろげすぎる。
マーロン・ブランドの「ラストタンゴ・イン・パリ」があったけど、「ラストマンボ・イン・パリ」では映画にならんわ。
昨日死んじゃった大島渚の「愛のコリーダ」は「ラストタンゴ・イン・パリ」に誘発された作品だと思う。

機械式吹き込みのSPレコードは、空気の振動という音楽の物理的特性を、一切の変換操作なくそのまま物質化させたものです。
 そして蓄音機は、それをまた一切変換なしで直接現象化させて音楽を再生するわけですから、これほど純粋なオーディオはありません。

 オーディオマニアの皆さん、音楽好きの皆さん。行き着くところは蓄音機です。

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